比較・選び方

電話代行とは?AI電話対応との違い・向いている業務・選び方

電話代行の一次受付・案内・取次ぎなどの範囲を整理し、自社対応・有人代行・AIを比較。委託先への確認事項と、受付後に自社へ残る仕事まで見比べるシートを紹介します。

公開日: Daisybell Japan

電話代行とは?AI電話対応との違い・向いている業務・選び方

電話を受けるたびに作業が止まる。担当者が外出中で、問い合わせに応じきれない。こうした悩みから電話代行を検討するときは、「電話を取ってもらえるか」に加えて、受けた後の仕事を整理する必要があります。

電話代行とは、自社に代わって外部の担当者などが電話を受け、契約した範囲で用件の聞き取り・案内・取次ぎ・報告を行うサービスです。 この記事では主に有人の受電代行を扱い、自社対応やAI電話対応との違いを、任せる業務と残る作業から比較します。

電話代行の選定で大切なのは、受付件数やサービス名だけで決めないことです。回答に必要な情報、判断できる範囲、例外時の連絡先まで確認すると、自社に合う使い方が見えてきます。

電話代行では、何を任せられるのか

電話代行の対応範囲はサービスや契約によって異なります。代表的な検討対象は、一次受付、定型案内、担当者への取次ぎ、予約などの受付です。ただし、「予約を受ける」が希望の聞き取りなのか、空き状況を確認して予約を確定することなのかは区別が必要です。

任せる仕事対応内容の例導入前の確認点
一次受付・伝言名前、連絡先、用件を聞いて報告必須項目、聞き取れない場合、通知先
定型的な案内営業時間、所在地、手続きの入口を案内正しい回答の所在、更新方法、対象外の扱い
担当者への取次ぎ用件に応じて接続先を選ぶ在席確認、転送方式、不在時の受付
予約・申込みの受付希望や必要情報を聞く希望の受付か、登録・確定まで行うか
個別情報の照会・変更契約した範囲で情報を確認・処理本人確認、権限、システム利用、結果の確認

厚生労働省の職業分類では、電話による応接事務に注文・予約・問い合わせの受付や取次ぎなどが挙げられています。ただし、職業分類は個別サービスの対応範囲を定めるものではありません。厚生労働省編職業分類(036)

表は対応範囲を確認するための整理例です。すべての電話代行が各業務に対応することを意味しません。見積もりでは「予約対応可」という一言で済ませず、相手に何を案内して通話を終えるのかまで確認しましょう。

自社対応・有人電話代行・AI電話対応の違い

有人かAIかだけで、対応品質や業務範囲が決まるわけではありません。どの方法でも、正しい情報と引継ぎの設計が必要です。

電話受付の方式を比較する。自社対応、有人電話代行、AI電話対応、主な担い手、任せる範囲、自社に残る仕事、社内担当、委託先担当、自動対話の仕組み、自社の運用で決定、契約範囲で決定、設計した範囲で対応、受付から判断まで、個別判断・後続対応、例外判断・運用管理。

図1:電話受付の方式を比較する。本文の関係や手順を整理した図。

比較する点自社の担当者有人電話代行AI電話対応
業務知識社内情報へ接しやすいが、担当者間の差を整える必要がある委託範囲の知識を共有し、更新する必要がある参照する情報と回答範囲を設計・検証する必要がある
個別の判断担当者の権限で判断できる委託先に認めた範囲を超える判断は自社へ定めた範囲外や結果不明の場面は人へ
対応時間・件数配置と回線などの条件による契約時間、受電体制、混雑時の条件によるサービス、回線、同時通話、保守などの条件による
記録・連携記録手順や入力負担を整える報告形式、通知のタイミング、連携先を確認保存項目、連携結果、失敗時の経路を確認
運用中に必要な作業教育、配置、品質確認情報更新、委託先との調整、受領後の対応情報・会話設計の更新、試験、例外の確認

AI電話対応は、音声での聞き取り・案内や情報の記録などを組み合わせる選択肢です。仕組みと業務範囲は、AI電話対応とは?を参照してください。

人の担当者も、共有されていない情報や与えられていない権限で判断することはできません。逆に、社内でしか回答できない用件でも、一次受付だけを外部へ任せる方法は検討できます。「全部任せるか、全部自社で受けるか」の二択にせず、業務を分けましょう。

電話代行を検討しやすい業務

外出・接客中の一次受付

用件と連絡先を聞き、担当者が後で確認する仕事です。自社の担当者が電話を取れない時間を補う場合は、転送を始める条件と解除する条件、重複受付の扱いも決めます。

通知を受けた後に確認する人がいなければ、受付が増えても依頼は進みません。確認する担当とタイミングまで用意してください。

回答が整理された問い合わせ

営業時間や窓口の案内など、回答の参照先をそろえやすい用件です。よくある質問を用意し、臨時休業などの変更を誰がいつ反映するかを決めます。

回答できない場合の言い方も必要です。推測で埋めず、確認・折り返しへ進めるようにします。

時間帯を限定した受付

昼休みや営業時間外など、一定の時間だけ外部へ任せる方法です。時間外の受電に対応していても、その時間に予約変更や個別判断まで完了できるとは限りません。案内、希望の受付、即時対応のどこまでを頼むのか確認します。

一方、頻繁に変わる内部情報を使う判断、権限の限定された手続き、専門担当への即時接続が必要な用件は、情報共有や体制の準備を先に行う必要があります。

委託先に確認する七つの項目

  1. 対応範囲:何を聞き、何を回答し、どこで自社へ戻すか。
  2. 受付条件:曜日・時間、臨時休業、混雑時、同時にかかる電話の扱い。
  3. 回答情報の更新:更新する人、反映までの手順、古い情報の停止方法。
  4. 報告と引継ぎ:報告項目、通知方法、未確認・未引受けの依頼の追い方。
  5. 例外時の対応:担当者不在、聞き取り不足、システム停止、判断範囲外の処理。
  6. 情報管理:扱う情報、閲覧権限、保存先・期間、再委託、契約終了時の扱い。
  7. 料金に含まれる範囲:基本料金、件数や時間による追加、時間外、転送・通話、設定変更などの条件。

見積もりの外にも仕事は残る。委託費用、時間帯・件数・契約範囲、社内の後処理、確認・判断・連絡、運用の管理、変更共有・未対応の確認、総負担で比較。

図2:見積もりの外にも仕事は残る。本文の関係や手順を整理した図。

個人データの取扱いを委託する場合、個人情報保護委員会の通則編は、委託先の選定、契約、取扱状況の把握などを通じた必要かつ適切な監督を示しています。実際に渡す情報と業務に合わせて契約・運用を確認しましょう。個人情報保護委員会「通則編・委託先の監督」

料金を比べるときは、想定件数だけを同じにするのではなく、受付時間、回答範囲、報告方法もそろえます。安く受電できても、自社での再確認や折り返しが増えるなら、その作業も比較に含めます。本記事では、個別サービスの現行価格や相場を一律には示しません。

自社の用件を一つ選んで、同じ条件で試す

「担当者不在時の折り返し受付」など、一つの用件を選んで比較します。次のシートは本文からコピーして使えます。

【電話受付の比較シート】
対象用件:
任せる曜日・時間帯:
想定件数と混みやすい時間:
必ず聞く項目:
回答してよい情報/参照先:
受付だけで終える内容:
判断・処理まで任せる内容:
対応できない場合の案内:
自社への通知先・報告項目:
引き受ける担当/確認時刻:
担当者不在・通知失敗時の代替経路:
情報の保存・閲覧・削除の条件:
料金に含まれる範囲/追加になる条件:
自社に残る確認・連絡・更新作業:

通常の依頼だけでなく、相手が電話番号を訂正する、担当者が不在、希望する時刻を約束できないといった場面も試します。会話の丁寧さとともに、記録が正しいか、次の担当者が動けるかを確認しましょう。

委託する前に、現在の電話を三段階で棚卸しする

電話代行へ相談する前に、まず誰から何の電話が来るかを整理します。次に、その場で答えている内容と、担当者の確認が必要な内容を分けます。最後に、通話後に残る登録、連絡、資料送付などの仕事を書き出します。この順で確認すると、「電話を取る」という言葉の中に含まれている仕事を具体化できます。

受付の担当者は、普段から知っている事情を会話の中で補っていることがあります。担当者の在席、取引先との経緯、社内で進んでいる作業などです。外部へ任せる際は、その情報を共有できるか、共有できない場合にどの範囲まで答えるかを決めます。自社では自然に進んでいた応対でも、委託先には判断材料が不足するかもしれません。

棚卸しでは、電話の件数だけでなく、混みやすい曜日や時間帯、平均的な用件の長さも記録します。月に同じ件数でも、均等にかかる場合と短時間へ集中する場合では、必要な体制が異なります。通常時だけでなく、案内の発送後や休業明けなど、自社で電話が増えるきっかけも共有すると相談しやすくなります。

一次受付で終えてよい用件を決める

一次受付を任せるなら、その場で必要な情報を受け付けた状態を定義します。名前と連絡先だけでよいのか、対象商品、予約の識別情報、希望する対応まで聞くのかを決めます。聞く項目を増やすほど詳しい記録になりますが、後で使わない情報まで集める必要はありません。

たとえば担当者への折り返し依頼では、誰に連絡してほしいか、何の用件か、折り返し先はどこか、連絡しにくい時間があるかを確認する構成が考えられます。個別の条件を聞く場合は、自社の処理に本当に必要かを確認します。受付の段階で判断できない質問には、回答を保留してよい範囲も明記します。

委託先が希望を聞いたことと、自社が対応を約束したことを混ぜないことも重要です。「本日中をご希望」と報告する内容を、「本日中に折り返すと約束」と変えてはいけません。どの時刻なら約束できるか、その権限を委託先へ渡すかを先に確認しておきます。

回答まで任せる用件は、正しい情報の管理先をそろえる

営業時間や所在地のような案内でも、臨時休業や移転があれば更新が必要です。資料を渡した時点で終わりにせず、変更を通知する人、反映を確認する人、古い資料を使わなくする方法を決めます。複数のメールに更新情報が分散すると、どれが最新か分かりにくくなります。

回答資料には、通常の説明だけでなく、適用する条件と対象外の例を入れます。「返品について案内する」としても、購入時期や商品の状態によって対応が変わるなら、その判断を委託先へ任せるのか、自社へ確認するのかを分けます。例外をすべて文章にできない場合は、外部で確約しない範囲を明確にします。

報告の受け取り方を、担当者の仕事へつなげる

報告が届く方法は、メール、管理画面、連携先など、サービスの条件によって異なります。選ぶときは、普段使っている場所へ届くかだけでなく、担当者が受領したか、誰が次に対応するか、未対応が残っていないかを確認できるかを見ます。

電話代行と自社を、仕事でつなぐ。委託先、自社、用件を聞く、記録する、共有する、受領する、判断する、連絡する、ここで引き受けを確認。

図3:電話代行と自社を、仕事でつなぐ。本文の関係や手順を整理した図。

通知を全員へ送る運用では、誰かが対応するだろうという状態が生まれる可能性があります。担当を決める人と、引き受けたことを残す方法を用意します。逆に、一人だけへ通知すると、不在時に止まることがあります。主担当と代替担当、未受領のまま一定の条件になった場合の確認先を決めてください。

報告の段階自社側で決めること確認する記録
届く通知先と届かなかった場合の連絡先送信・到達の状態
引き受ける主担当と代替担当受領した人と時刻
対応する調査・判断・折り返しの手順実施したことと残作業
終える完了の条件と確認者結果と顧客への案内

報告の内容も、会話の要約だけでなく、次の作業に必要な項目がそろうかを確認します。相手が希望したこと、確認できたこと、回答したこと、まだ終わっていないことを分けると、担当者が続きを始めやすくなります。報告文が読みやすくても、連絡先が欠けていれば折り返せません。

比較用の見積もり条件を、具体的な用件でそろえる

候補を比較するときは、同じ件数を伝えるだけでは条件がそろいません。受け付ける曜日と時間、案内してほしい内容、報告の速さ、転送の有無、使うシステムを同じ条件で提示します。含まれる作業と追加になる作業を分けて回答してもらうと、後で比較しやすくなります。

たとえば「月の受付件数は同じ」でも、一方は名前と伝言の報告だけ、もう一方は質問への回答や予約の登録まで含むかもしれません。料金の数字だけを見る前に、業務の終点をそろえます。自社に残る折り返しや再確認が違うなら、その作業時間も別に見積もります。

条件比較時に具体化する問い
件数の数え方間違い電話、短い通話、再入電をどう数えるか
時間の条件休業日や臨時変更にどこまで対応するか
会話の範囲伝言だけか、定型質問への回答も含むか
転送在席確認、接続できない場合の受付を含むか
報告必須項目、通知先、報告時期を選べるか
変更台本や連絡先を変える場合の手順と費用は何か
終了記録の受け取りや切り替えに何が必要か

試算には、通常月に加えて繁忙月を用意すると、件数が増えた場合の違いを確認できます。自社の実測値がまだない場合は、仮定であることを明示し、運用後に見直す前提にします。一般的な相場をそのまま自社の予算へ当てはめるより、必要な作業をそろえた見積もりが判断に役立ちます。

委託先を試すときは、会話と報告を一緒に見る

試験では、通常の受付が丁寧に進むかだけでなく、情報が不足したときや、相手が希望を訂正したときも確認します。電話番号を途中で言い直す、担当者名が分からない、折り返し希望の時間を変更するといった場面は、記録の品質を確認する材料になります。

通話の後は、報告を受けた自社の担当者がその内容だけで対応を始められるかを試します。用件が曖昧で再度聞く必要がある、希望と約束が混ざっている、受付済みか処理済みか分からないといった問題があれば、聞く項目や報告の形式を修正します。会話と記録を別々に評価しないことが大切です。

確認者は、良かった点と不足した点を、観察できる内容で伝えます。「もっと親切に」だけでは修正の方向が伝わりません。「担当者不在を伝えた後に、折り返し先を確認していない」のように場面と不足を具体化します。相手の希望を受け止めながら、約束できないことを確約しなかった例も評価します。

開始日と、元の受付へ戻す方法を決める

電話代行の利用開始時には、転送を切り替える担当者、対象番号、開始時刻、確認用の発信を行う人を決めます。複数の番号や窓口がある場合は、一つの設定変更でどこまで影響するかを確認します。意図した番号だけが委託先へつながるか、営業時間の境界で正しく切り替わるかを試します。

元の受付へ戻す場面も想定します。接続に問題がある、案内が古い、報告が届かないなどの状況で、誰が切り替えを判断し、利用者には何を案内するかを決めておきます。切り替え中に受けた用件が失われないよう、受付記録の範囲も確認します。

開始直後は、委託先と自社の両方が同じ用件へ連絡してしまう可能性もあります。重複した受付を見つける手がかりと、対応中の担当者を確認する方法をそろえます。試験が終わったからといって、運用の確認が不要になるわけではありません。最初の期間は受付の流れと残作業を重点的に確認します。

有人代行とAIを併用するときの境界

有人代行とAIを組み合わせる場合は、どちらが最初に受けるかだけでなく、何を理由に切り替えるかを決めます。定型的な質問はAI、個別判断が必要な相談は有人代行、その権限を超える判断は自社など、複数の段階になることがあります。段階が増えるほど、利用者が同じ説明を繰り返していないかを確認します。

受け渡す情報には、用件、確認済みの項目、未確認の項目、実施済みの処理、切り替える理由を含めます。すべての会話を読む必要がある形式では、次の担当者が対応を始めるまでに時間がかかります。短い要点から必要に応じて詳細を確認できる形を検討します。

どの方式を選んでも、自社が必要な判断と情報の更新を引き受ける体制は残ります。電話の入口を整えた後、受けた用件がどこまで進んでいるかを確かめることが、代行を継続して使ううえでの重要な運用です。委託する範囲が広がる際は、契約と実際の仕事の両方を見直してください。

委託先が変わる場合は受付中の案件を移す

電話代行の切り替えでは、電話番号や転送設定に加えて、未回答の問い合わせや折り返し待ちの記録を確認します。新しい窓口が稼働しても、以前の窓口で受けた用件が自動的に移るとは限りません。切り替え前に受け付けた案件を、誰が最後まで確認するかを決めます。

移す記録には、顧客に案内した内容と未完了の作業を残します。連絡予定を伝えている案件であれば、その予定を新しい担当者が確認できるようにします。記録の受け渡し方法や参照権限は利用するサービスの条件に合わせ、切り替え当日に初めて開けないと気付くことがないよう、事前に確かめましょう。

受付時間の境目にも注意が必要です。旧窓口の終了と新窓口の開始の間に着信した場合の案内、転送先が利用できない場合の経路を試します。電話を受ける仕組みと、すでに受けた用件を処理する仕組みを合わせて引き継ぐことが、継続した対応につながります。

よくある質問

電話代行とコールセンター代行は同じですか?

使い方が重なることはありますが、名称だけで範囲は決まりません。一次受付を中心にするのか、問い合わせ窓口の運用や処理まで含むのか、契約する仕事内容で比較します。

電話代行とAIは併用できますか?

接続方式やサービスの条件が合えば、定型受付はAI、個別判断は人といった分担を検討できます。つながることだけでなく、記録の受渡しと不在時の対応も確認が必要です。

24時間対応なら、夜間に用件を解決できますか?

24時間の受電と、24時間の判断・処理は別です。どの用件をその場で完了でき、何を次の営業日に引き継ぐかを確認してください。

今の電話番号をそのまま使えますか?

電話契約、設備、転送方式、委託先の条件によります。番号の扱い、転送費用、発信者番号の表示、切替操作を現在の契約先と候補の委託先に確認します。

受付後の仕事まで含めて選ぶ

電話代行を比較する出発点は、任せる用件と終点を決めることです。受付・案内・処理を分け、自社に残る折り返しや判断まで見える形にすると、有人代行とAIの役割も整理できます。

Daisybellへのご相談では、現在の受電状況と、負担になっている受付後の作業をお聞かせください。

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